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「山内さんが知ってるオススメの店に連れてって~
帰国してから出歩いてないから、いい店知らないし~」
「遅くなると思うので、今日は帰ってくれていいよ~」
『帰すの?!』
梨佳子の動揺は気づく事もなく…
廉は会社の車を帰らせタクシーでの移動になった。
梨佳子は会社関係の人に会わないような所で、巷では有名ではないオシャレなお店を選んだ。
タクシーから下りた廉は、梨佳子をエスコートするように横に並ぶ。
「ふ~ん雰囲気のいい店だね~」
廉は店の中を見渡して気に入った様子だった。
「山内さんのオススメを適当に頼んで♪」
廉は会社でいる時とは全く違う態度で、梨佳子が注文している横からワインを注文したり何故かハイテンションで、口数も多かった。
料理とワインがテーブルに並んだら、
「乾杯しよ~♪」
廉は梨佳子にグラスを差し出した。
~乾杯~
ワインを一口飲んで
「いつもありがと~帰国してから迷惑かけっぱなしだね。。。山内さんには本当に感謝してるんだよ!これからも宜しくお願いします!」
冗談ぽくではあったが梨佳子は初めて廉に礼を言われた。
いつもの横柄な態度とは全く違うので少し戸惑ったが、梨佳子はいつもと全く態度を変えず砕ける事なく会話をした。
廉は初めて2人で食事をするのに全く気を遣わせない雰囲気を作れるって・・・
つくづく女性の扱いに慣れてるんだな…
梨佳子は感心してしまった。
「御馳走様でした。」
梨佳子は深々と頭を下げた後、
今タクシーを拾って来ますのでここで待っててください~」
梨佳子が大きい通りまで走って行こうとしたら、
「ちょっと〓З」
廉に腕を掴まれた。
「急いでないんだから一緒に行けばいいよ!」
廉は笑いながら梨佳子を引き止めた。
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