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橋本は無言のまま歩き出して・・・
おもむろに突然振り返った。
「納得のできる理由を聞くのは、いけない事かな?」
「・・・・。」
「いえっ。」
『本当の事を言おう!嘘をついても仕方がない』
梨佳子は強く自分に言い聞かせて、
「好きな人が・・・」
梨佳子が言いかけたとたん、
「好きな人?!」
「・・・・とにかく歩きながらできる話でもないので僕の車まで行こう。」
~~~~~~~~~~~~~
20:30~
「おかけになった電話は・・・」
「クソッ#」
廉はソファーに携帯電話を投げつけた。
「?!」
ふと我に返り、車のキーとスーツの上着を持って梨佳子のマンションに急いだ
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『車の中で2人で話すのは・・・』
できたら違う場所で話したいと思いつつも、橋本の真剣な顔を見たら・・・言い出す事ができず、そのまま駐車場に向かう橋本に着いて行った。
橋本はシートに座って大きく息を飲み込んでから、
「好きな人ができたの?」
「ハイ。」
梨佳子はハッキリと返事をした。
「結婚するつもりで僕との見合いに来たんだよね?!」
「もちろんです」
「なのに何で急に好きな人が出てくるの?」
「・・・。」
「こんなことを言うのはどうかと思うけど、結婚と恋愛は別でしょ!!梨佳子さんも20歳やそこらじゃないんだからそれくらい分かるよね」
「分かります。」
橋本は梨佳子の肩に手を置いた。
『重い・・・』
肩に置かれた手は必要以上に重く感じる。
「分かってないよ。」
「スミマセン」
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