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「・・・・。」
梨佳子は小さく首を振って、廉の上着の裾を持った。
廉は梨佳子の気持ちを『分かった・・・』とばかり小さく笑って、
梨佳子が落ち着くまでずっと抱きしめてやった。
少し泣き止んだ梨佳子に、
「梨佳子さんは、最近よく泣くね。」
「最初会った時はスッゴイ怖い仕事ばっかり人間だと思ってたのに・・・。」
梨佳子は顔を上げて『誰のせいよ・・・』とばかりに廉の胸をポン=3と叩いた。
『今日は色々と聞かないでやろう・・・』
橋本とどんな話をしてきたのか、ちゃんと断る事ができたのか。
山ほど聞きたい事はある。
そう思いながらも梨佳子の疲れ切った顔を見たら、今日は何も聞かない方がいいだろう・・・
もう一度抱きしめる腕にギュッと力を込めた。
「専務・・・」
長い間泣いていた梨佳子が突然口を開いた。
「・・・Um・・・?」
「私専務の事が大好きです・・・」
梨佳子はいっぱいいっぱいの気持ちを小さな声で伝えた。
「あのさ~大好きって言ってくれるなら名前言ってくれない?!」
「告白するのに専務って色気ゼロでしょ!」
「廉さん・・・・?」
「廉でいいよ~」
「無理です!」
「廉はふざけて梨佳子をくすぐった!!」
「ヒャーッ」
「専務だって梨佳子さんって呼ぶじゃないですか!!!」
「早く廉って言ってみて=3早く言って!!」
「そんな子供みたいな事ばっかりするかりするなら廉君?!って呼びますよ~~~~」
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