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クスッ
「でも、秘書に電話しないといけないほど急用なんてなかなかないですよ」
「・・・。」
『やっぱりコイツ呑気な奴・・・』
「今日・・・・」
「橋本さんに結婚のお断りをして来ました。」
廉の一番気になってた事を切り出したのは梨佳子の方からだった。
今日は聞かないつもりでいたのに、切りだされてしまうと・・・根掘り葉掘り深く聞きたくなって、
「彼は何て?」
「待つって言われました。」
「待つってどういう事よ?!あきらめないって事だよ
ね?」
「好きな人がいるから・・・と正直にお話したんですが、恋愛と結婚は違うからって・・・」
「そう・・・ で梨佳子さんは何て答えたの?」
「待たないで下さいととだけ言って帰って来ました。」
「 彼はあきらめるつもりはないって事だよね・・・」
『やっぱり俺が一緒に行くべきだった』
廉は簡単にはあきらめないだろうと予想はしていたが・・・
梨佳子の話を聞いて気が重くなった。
「とにかく、俺が知らない所では絶対に2人で会ったりするなよ!」
「会わなければいけないのなら今度からは必ず俺も一緒に行くから」
「・・・ハイッ。」
最近の梨佳子を見ていて仕事以外は全く無頓着だったりノウ天気だったりする事が分かっただけに、忙しくなるこれからが気がかりになった。
「明日、朝早いからもう帰るけど戸締りちゃんとしろよ」
「もう~今まで1人だったんだから大丈夫ですよ」
廉は玄関でもう一度梨佳子を抱きしめた。
「帰らないで・・・とか言わないの?!」
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