1716人が本棚に入れています
本棚に追加
勤めていた会社は倒産し,妻子には逃げられ,挙げ句の果てに身体を壊して死の床についている男がいた。
「誰か・・誰か助けてくれ──」
彼の祈りが天に通じたのだろうか。気がつくと,清らかな天使が男を見下ろしていた。
「こんにちは」天使はやさしく微笑んだ。「あなたの望みを三つ言ってください」
「これが夢でないのでしたら・・・私の望みは」男は言った。「健康と財産と,何より家族の愛情です」
そして男は両手を合わせ、感動にふるえる声で言った。
「ああ,天使様。ありがとうございます。何と感謝してよいものやら・・・」
「いえいえ。どういたしまして」
天使はにこやかに答えた。
「こちらこそ,アンケートにご協力いただき,どうもありがとうございました」
最初のコメントを投稿しよう!