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そのとき彼女は、まるで世界に何一つ不幸なものなどないように思わせる顔をして、つまり微笑みを浮かべて、木陰に座っていた。幼いながらも、きっと本当の幸いを知っている彼女は今、眠りに入ろうとしている。
ざ
ざざ
目前の草むらから獣の気配を感じ、彼女は顔を上げた。
「あら?」
その刹那、ウサギが2本の脚で立っている、と彼女は錯覚したが、どうやら違うらしい。それは、真っ白なウサギの耳を持つ少年、…だった。
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