始まりの午後の日差し

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   「あなただぁれ?とっても立派なお洋服をお召しになってるわね!今日はハロウィンなのかしら?いいえ、まだ4月だもの、そうね、感謝祭かもしくは復活祭か何かかしら??それとも本当に本当のウサギさん?」  おしゃべり好きな彼女は少年に向かって、一息で言ってのけた。それでも少年は無言で、ただ彼女を見つめている。  「私ったら興奮しちゃって…ごめんなさい、本当にウサギさんだとしたら声なんか出せないわよね。」  そう言って彼女が立ち上がったとき、ようやく少年は口を開いた。  「………アリス。君が、物語を終わらせる真のアリス。」    
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