始まりの午後の日差し

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   彼女は少年の後を追った。  「さすがウサギさんだわ!やっぱり足が速いのね!」  春風のように駈ける少年の後を、夢中になって追いかける。やがて辺りは、背の高い草花が生い茂る森となっていた。と、突然少年の姿が見えなくなった。彼女は草花を掻き分け、ようやく開けた場所に出た。  (きっとこの中だわ…。) 彼女の目の前にあるもの。それは少年が入って行ったであろう場所。    目を見張る巨木、その根元に空いた大きな穴。長い輪廻が繰り返されてきた…物語への入り口。    
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