始まりの章

2/4
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
プロローグとタイトルから想像される世界観を無視するかのように、一人の学生がまどろんでいた。この学生がまどろんでいる場所も大草原ならまだ納得がいくが、生憎にも学校近くの河川のほとり。空には飛行機曇すら見える。先に断っておくが、この作品のジャンルはファンタジーである 唯一ファンタジーの欠片を見ることが出来るのは、この学生の外見位だ。すらりと伸びた体型に金の髪、半開きのまぶたから紅い瞳を覗かせている。容姿は良い方だろう。それが王道というものだ この日が平日であると仮定するなら必然的にサボリということになるのだろうが、現時刻は二つの針が重なる時刻であり学生にとっては嬉しい昼休みだ。だからと言って学校を抜け出す輩はそうそういないが 昼休みに学校を抜け出し、この河川のほとりでまどろむのはこの学生の日課となっているが、この行動を知る者は少ししかいない。知っている人も特には注意したりしないが 「やっぱりここに居たのね。祐人」 「ん……凛か…」 凛は祐人のクラスメイトであり、祐人の昼休みの過ごし方を知る数少ない人物の一人であると同時に祐人の唯一の親友でもある。黒髪に黒い瞳はいかにも日本人であることを象徴しているかのようだ。ツインテールにまとめた髪は、その凛々しい顔立ちをより一層凛々しくしている。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!