始まりの章

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「昼休みくらい誰かと遊びなさいよ。いや、その前に友達作るのが先か……ハァ…」 そう言って凛は頭を抱える。祐人の唯一の親友である凛は祐人のことを心配していた。友達のいない学生の唯一の親友であれば当然かも知れないが しかし、祐人は人見知りでもイジメを受けてる訳でもない。あまりにもマイペースに過ごしているためクラスメイトも祐人の心理を理解出来ない、というのが理由であった。一部の人の間ではクールな性格、別の一部の人の間では不良なのではと、噂が噂を呼ぶ状態になっていた 当然、マイペースに過ごしている祐人はそんなことは気にしていない。それゆえ、凛が色々と誤解を解いたりと動き回っている訳だ。少しは凛に感謝するべきではないだろうか。この少年は 「まぁいいわ。それよりも、ちゃんと午後の授業に来なさいよ。また寝坊なんて馬鹿な真似はしないでね」 「まだ覚えてたのか……。いい加減忘れろ。アラームちゃんとセットするようになったし、大丈夫だ」 「ならよろしい。先に行っとくからね」 そう言って、凛は校舎の方に向かう。それを一応見送った後、祐人は再びまどろみ始めた。凛はいつになったら忘れるのだろうか、などと考えながら   この先、どんな物語が待ち受けているかも知らずに…  
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