第二章

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雄人は自分の身の周りの変化に対し、完全に頭がついていっていなかった。それもそうだろう。いつもの場所でいつものように昼寝をしていて、起きたら目の前に"お城"が立っていた、なんて話を耳にしたことがあるのも逆にどうかと思う 「(いや待て落ち着け…この状況は一体なんなんだ?何故城が?その前にここはどこだ?何がどうなってんだ?)」 全く落ち着けていないが 「あの……」 「うぉう!!?」 「…驚きすぎです」 半ば呆れたように雄人に話しかけてきたのは、薄い金髪をひとつにまとめた、いわゆるポニーテールの少女だった 「どうかされましたか?何か悩んでいたようですが…」 その顔立ち、口調、服装、全てに品が感じられる。凛とは違ったタイプの優等生、といった所か 「…1つ、聞いて良いか?凄く、簡単なことなんだが…」 「は、はぁ…私に答えられることなら構いませんが…何でしょうか」 そして雄人は、大きく深呼吸を2~5回ほど行い、聞いた 「…ここはどこだ?」 「どこって…聖アステリア王国魔法学院の中庭ですが…」 時間にして5秒の静止 「……すまん、もう一回言ってくれ。理解できなかった」 「…聖アステリア王国魔法学院の中庭ですが」 「………」 二回聞いたところで、雄人が納得できる話ではないのは明らかだった
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