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俺と三坂家と
闇
そこは一面の闇
俺はそこを当てもなくさまよっていた。
「あら、翔、おかえりなさい」
「テストで100点!? 本当、翔は天才ね」
「今日は翔の為に、頑張ったんだからね。母さん」
母さんが見える。
「こら翔、それは父さんのだろう」
「よし翔、キャッチボールでもするか」
「風呂で歌って何が悪いんだ。なぁ翔」
父さんが見える。
「お兄ちゃんばっかりずるい」
「私はお兄ちゃんみたいに怠け者じゃないもん。バーカ」
「お母さん、お兄ちゃんがまたいじめる~~」
奈美樹が見える。
(そうか……)
俺は薄々気づいていた。
これはただの夢だということに
でも、凄く心地良かった。
だって俺は――
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