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「お久しぶりです。ひぃさま…いえ、翠様。」
病院から陵の着替えを取りに来たら駒野が玄関で待ち伏せしていた。
「久しぶり、駒野。」
「若頭はどうでしたか?」
「退院しようとしたから脅してもう1日入院させることにしたの。ちなみに他に悪い所が無いか検査もしてもらったわ。」
「良く若頭が了承しましたね。」
「…婚姻届を書いたからね。」
駒野は目を大きく開いたがすぐ元に戻った。
「では、姐さんと言わないといけませんね。」
「呼んだら殴る。」
「こわっ!…そろそろ病院に戻らないと若頭が暴れますよ。」
駒野が高級腕時計を見てトントンと叩きながら私に見せた。
「…急いで荷物をまとめるよ。」
早歩きで玄関に向かったら
「ひぃさま!」
振り向くと真面目な顔をした駒野いた。
「どうしたの?」
駒野は少し目をウロウロさせ言いにくそうにしていたが決心したねか私をまっすぐに見つめてきた。その目に少しドキッとしたのは秘密だ。
「…俺はひぃさまが好きでした。」
私は告げられた驚愕の内容に断るか冗談かと口にしようとしたがさっき見た駒野の表情にそれを言うのは失礼な気がした。
「…私も駒野の事が好きだよ。恋じゃないけど大切な人だよ、駒野。」
ニコリと笑って玄関を開けて中に入った。
「ありがとう、駒野。」
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