名前―name―

8/13

3315人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
「ふぅん…泪ね。あ、インターホン押していい?」 「ちょっと待っ…」 ピンポーン。 まだ全くと言っていいほど心の準備が出来ていないのに、男は勝手にインターホンを押した。 …余計な事を。 するとすぐに『はぁーい』という女性の声と共に、玄関の扉が開かれた。 現れたのは40代前半くらいの小綺麗な女性。 …泪の叔母だ。 巻かれた茶色い髪、濃いめの化粧、キツい香水の香り… 吐き気がする。 「る、泪!!!!アンタどこに行ってたのよ!!」 叔母は泪を見るなり怒鳴り散らし、右手を大きく振り上げる。 殴られる!!!! 泪はビクッと体を強張らせ、咄嗟に目を閉じた。 すぐに左頬に痛みが…
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3315人が本棚に入れています
本棚に追加