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「ふぅん…泪ね。あ、インターホン押していい?」
「ちょっと待っ…」
ピンポーン。
まだ全くと言っていいほど心の準備が出来ていないのに、男は勝手にインターホンを押した。
…余計な事を。
するとすぐに『はぁーい』という女性の声と共に、玄関の扉が開かれた。
現れたのは40代前半くらいの小綺麗な女性。
…泪の叔母だ。
巻かれた茶色い髪、濃いめの化粧、キツい香水の香り…
吐き気がする。
「る、泪!!!!アンタどこに行ってたのよ!!」
叔母は泪を見るなり怒鳴り散らし、右手を大きく振り上げる。
殴られる!!!!
泪はビクッと体を強張らせ、咄嗟に目を閉じた。
すぐに左頬に痛みが…
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