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「って、アナタは何がしたいわけ??」
「今すぐに必要最低限の荷物をまとめて欲しいわけ」
……ん?
意味がわかりません。
土足で他人の家に上がり込んで、更には住人が入れないように部屋に鍵を掛けたりして。
泪は眉をひそめ、首を傾げた。
「制服とか、携帯とかさ…早くしないと扉こじ開けられるよ?」
ドンドンと扉を叩く音と共に、叔母の怒鳴り声が聞こえる。
「ほら、早く」
焦りを感じた泪は男に言われるがまま、大きなバッグに荷物を詰め込んだ。
お金、制服、教科書…
元々少ない私物。
まとめるのに、そう時間は掛からなかった。
「それで全部??」
「う、うん…だけ…」
『だけど一体どうするの?』なんて疑問は一切受け付けず、男は部屋の扉を開く。
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