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「この傷、アンタか…この家の他の誰かがやったんだろ?」
「なっ?!」
露になった泪の腕には無数の痣や、擦り傷などが痛々しく残っている。
普通に生活しているだけでは、絶対に出来ないような傷たち。
「そ、それは…」
先ほどまでの勢いはどこへいったのか…叔母は明らかに動揺を見せていた。
目を泳がせて、言い訳でも考えているのだろうか。
そんな叔母に、男はサラッと言い放つ。
「虐待ってやつ?」
とどめの一撃。
叔母はもう、何も言えなくなっていた。
「学校にはうちから通わせるんで、ご安心を」
男はニコッと…しかし目が笑っていない笑顔でそう言うと、自分の連絡先を叔母に渡す。
そして、再び泪の手を引き歩き出した。
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