天然―nature―

2/11
3315人が本棚に入れています
本棚に追加
/310ページ
「ひ、一人暮らしなの?!」 泪は右手に持っていた箸をポトッと床に落とした。 目の前には、2人分にしては多すぎる料理が並べられている。 「うん。だから部屋空いてるわけ」 「…なるほど」 遥斗はキッチンから新しい箸を取り出し、固まる泪の手に再び握らせる。 泪の家から戻ると、遥斗は空いている部屋を貸してくれた。 寝室の隣の部屋… そこは窓にカーテンがされているだけで、全く使われた形跡がない。 なんとなく、おかしいとは思っていたのだが… そんな時、遥斗から聞かされた事実。 「3LDKに1人って…どんだけリッチなのよ」 握り直した箸で唐揚げをつまみ上げ、泪は溜め息を漏らした。
/310ページ

最初のコメントを投稿しよう!