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「ひ、一人暮らしなの?!」
泪は右手に持っていた箸をポトッと床に落とした。
目の前には、2人分にしては多すぎる料理が並べられている。
「うん。だから部屋空いてるわけ」
「…なるほど」
遥斗はキッチンから新しい箸を取り出し、固まる泪の手に再び握らせる。
泪の家から戻ると、遥斗は空いている部屋を貸してくれた。
寝室の隣の部屋…
そこは窓にカーテンがされているだけで、全く使われた形跡がない。
なんとなく、おかしいとは思っていたのだが…
そんな時、遥斗から聞かされた事実。
「3LDKに1人って…どんだけリッチなのよ」
握り直した箸で唐揚げをつまみ上げ、泪は溜め息を漏らした。
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