天然―nature―

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「ありがとう」 遥斗は泪の指についた生クリームをペロッと舐めとると、何事もなかったように食べ途中のケーキに向き直った。 唖然。 この指はどうすればいいの?! 洗う。 拭く。 そのまま。 どれもピンとこない! 泪は伸ばした指をそのままに、顔を赤らめ固まってしまっていた。 すると… 「なに?クリーム食べたかったの??」 「ちがっ…」 「はい、あげる」 否定する前に、遥斗は自分のケーキからフォークで生クリームをすくい、差し出してくる。 なんでそうなるの?! しかも、これって… カップルがよくやる、あーんってやつ? 完全に苦手分野。 「いらないの?」 「い、いや…あのぉ…」 気まずい。 不思議そうに見つめる遥斗。 指はとりあえず置いといて…泪は意を決して目の前のクリームをパクっと口に含んだ。
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