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・・・あれからどれだけの時間が過ぎたろう。
何の飾り気もない病室の真ん中に配置されたベットの上で横たわっている少年は、ふと、思った。(・・・・・・もう半年ぐらいか・・・・・・。)
フーッと深い溜め息をつく。自分が自分に呆れてしまう。本来なら、学生である自分は学生らしい生活を送るのが普通なのだが・・・。
(・・・まぁ、高校は義務教育ってわけじゃないし・・・・・・・俺の年で働いている奴なんて今の社会にはうじゃうじゃいるだろうし。)
さっきまで呆れていた自分は数分もしない内に開き直っていた。
(腐ってるな・・・・・俺・・・)
窓を覗くと桜が景色一面に舞い上がった。その景色はまるで、自分だけが世界に取り残され一生孤独になってしまうのではないかと思う。(・・・桜になりてぇな。)
思いを巡らしていると、あの出来事を思い出した。
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