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『ばか』
なんだろう、何故だか少し寂しくなって来た
貴方が隣りにいない駅のホームで私は一人愚痴を零した
何であんたはこないんだ待っているのに…
昨日あんなに一緒に行くから待ってろなんて騒いでたくせに
口だけなら最初から言わないで
いつも、いつも口ばっか
…それでも、私は貴方のことを信じてたから今日だって貴方の言葉を信じてた
『8時…』
後5分で電車が来てしまう
それに乗ったら貴方とは永遠に会えなくなる
…ねぇ、そんなの嫌だよ何で最後の別れ方がこんなにあっけないの…?
『電車のドアが閉まります―――』
きっとこれでさようなら
―――…ああ、ばか。
あんたも相当ばかだけど、私も同じ位ばか
気付いたら電車のドアが閉まる光景を電車の外で見ていた
…少しだけ、もう少しだけ
待ってみようと思った
『…悪ぃ!!』
…ああ、待ってて良かった
慌てて走ってきた貴方に私は思わず抱き付いた
『…もう、駄目かと思った』
『…来るって思ったから』
きっと2人とも似たもの同士
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