似たもの同士

2/2
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
『ばか』 なんだろう、何故だか少し寂しくなって来た 貴方が隣りにいない駅のホームで私は一人愚痴を零した 何であんたはこないんだ待っているのに… 昨日あんなに一緒に行くから待ってろなんて騒いでたくせに 口だけなら最初から言わないで いつも、いつも口ばっか …それでも、私は貴方のことを信じてたから今日だって貴方の言葉を信じてた 『8時…』 後5分で電車が来てしまう それに乗ったら貴方とは永遠に会えなくなる …ねぇ、そんなの嫌だよ何で最後の別れ方がこんなにあっけないの…? 『電車のドアが閉まります―――』 きっとこれでさようなら ―――…ああ、ばか。 あんたも相当ばかだけど、私も同じ位ばか 気付いたら電車のドアが閉まる光景を電車の外で見ていた …少しだけ、もう少しだけ 待ってみようと思った 『…悪ぃ!!』 …ああ、待ってて良かった 慌てて走ってきた貴方に私は思わず抱き付いた 『…もう、駄目かと思った』 『…来るって思ったから』 きっと2人とも似たもの同士
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!