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『2年前の…冬でした。夫がいきなり…おかしくなって…』
◆2年前◆
「幸~早くしろよ」
『うん、今行く~』
幸と智也は休みの日はこうやって2人で出掛けるのが当たり前になっていた。
智也は普通のサラリーマン、幸もパートではあるが昼間は働きに出ていた。
「なぁ幸…俺らが結婚して3年もたったんだな」
『え?…あぁもうそんなに経つんだ…』
「なんだよ!ι忘れてたのか!!」
『えιいや忘れてたとかじゃなくて…ふと考えてみるとそんなに経つんだなぁって思ったの』
「そっか…、明日俺仕事早く終わるから夜は外出しよう。久しぶりにさ♪」
『本当に♪?!やった!』
「終わったら迎え行くな」
『うん♪』
この日は何事もなく買い物して帰った。
*翌日*
智也は仕事を切り上げると幸のパート先に向かった。
あと30分もすれば出てくるだろうと智也は車の中で幸を待った。
30分経つか経たないかした頃、疎らに幸と同じパートと思われる人達が出てきた。
智也はエンジンをかけ外を見渡す。すると幸らしき影が見えた。
「幸ぃ!!」
智也は呼んだが幸には聞こえていなく幸はキョロキョロと智也を探していた。
「聞こえないのか…仕方ないなぁ…おー…ぃ…」
智也が更に大声で呼ぼうとしたその時、幸は後から来た自分より若めの男に話しかけられた。
智也はその光景を食い入るように見ていた。
やがて幸は智也に気づき車に嬉しそうに近付いていった。
『ごめんね~ι待った?』
「ううん、大丈夫!行こっか!」
『ねえ、今日は何食べるの♪』
「お楽しみ」
『なにそれ~』
「それよりさぁ…」
『ん…?』
「あれ…誰?」
『アレ??』
「帰り…話してた…男」
智也の暗い感じで不安なのがわかった幸は安心させようと明るく話した。
『あぁ!あの子はアルバイト君、私が指導係りだから帰りも質問に答えてただけだよ、勘違いしちゃった??♪』
「…そっか…幸が…指導係り……」
智也の様子は変わらない。むしろ俯いたままブツブツとなにやら呟き出す。
『智也…?』
「…やめちゃえよ」
『は?!』
ボソッと智也が呟いた一言に幸は唖然とした。
「やめちゃえよ…仕事…別に生活苦しい訳じゃないし…」
『え…突然なに!?ι
意味わかんないよ!!』
あまりに勝手な言い分に幸は強気に反発した。
「やめちゃえって言ってんだよ!!!」
『!!!…』
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