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月のない夜
朽ち果て、うち捨てられた神社で静かな戦いが繰り広げられていた
ひとりは少女
闇に臆することなく静かにたち、強い眼差しは常に『敵』だけを捕らえている
対する敵は異形のモノ
悪鬼のような形相と蝙蝠の羽をもつ鳥獣。口から炎を吐き、鋭い鉤爪は猛毒をもっている
「あるべき場所へ還れ」
静かに告げ、掌に浮かべた青白い炎を放つ
炎は大きく弧を描いて鳥獣を襲う。が、寸前で鳥獣が避ける
炎は羽をわずかに掠め、鳥獣の巻き起こした風により消えた
「クケケケ……」
鳥獣は嘲笑を残して、闇に消えた
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