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「…逃げたか…」
「逃がした、の間違いじゃないか?」
暗闇のなかから青年が姿を現し、揶揄するように言った
彼の手には『封』の文字が入った宝珠があった
彼もまた別の場所で異形のモノと戦っていた
宝珠を受け取った少女は、懐から袋をとりだし中に入れながら、
「私の失態だ。今度は必ず封じる」
無表情のまま訂正する
あくまでも逃げたと言い張る少女に、青年は肩をすくめた
二人はどちらからともなく歩きだし、神社をあとにした
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