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里へ戻った響(ユラ)は、その足で老師たちのもとへ向かった
報告と、もうひとつ…
老師は全員で六人
封魔師の管理と育成を管轄する彼らの仕事は多忙を極める
常時、一人は部屋に控えているが、六人揃っていることは滅多にない
響が訪れたとき、三人の老師がいた
奥で顔をつきあわせるように座し、談話している
皆、同じような背格好であるため、遠目からは誰だか判別できない
「失礼します」
普通の声音だったが、響の声は不思議とよく通った
老師たちの声がぴたりとやみ、横一列に座り直すと来訪者を迎えた
「ただいま戻りました」
響は敷居をまたぎ奥へと進むと、老師たちの十歩手前で座し、両手を床について頭を下げた
挨拶したあと、響は報告した
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