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新・桃太郎
昔むかし、あるところに、生きてるのか死んでるのか認知するのに難しい、ミイラみたいに干からびた薄汚い爺と婆がおんぼろい家に寝たきりで住んでおりました。
その生活感の欠片もない寝たきりの生活…
爺は顔中うじ虫だらけ、婆は足が腐り落ちてハエがブンブン舞っておりました。
二人は今にも死んでしまいそうな状態でありながら、夜な夜な
「子供欲しいぜベイビィー」
と寝返りを打つのでした。
そんなこんなで一週間後のことです…
「ぢぃさぁん?ぢぃさぁん?
生きてますけ?」
「お?ぉおぉ、生きとるよ…
まだイってなかぁ…」
いつものように二人で死んでないか確かめ合っていたところでした。
いつもどうりの風景…
しかしその日はなにかが違いました…
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