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阿保話 1『心臓』
「う~ん、心臓いてぇ~…」
太郎君はそう言いながら心臓とは全く逆の右胸をさすっていました。
「逆だよ太朗くん…」
するとそこへすかさず太朗君の親友の次郎君が友の非常事態に駆け付けて来てくれました。
まぁ、見ればわかりますが太郎君の「郎」が「朗」になってます。
次郎君実は漢字間違ってます。
「あぁ…次郎のダンナ…
お久しゅうごぜぇますな…
あっし、どう言う訳か左にある筈の心臓が右に移っちまったようで…
なんだか鼻がむずむずしてきやがるんですたい…」
話し方変わってきてますし、鼻は関係ないと思います。
「そうなのかい?
それは大変だ…
早く戻さないと心臓が二つになっちゃうよ?」
明らかに胡散臭いをこと言いながら次郎君はお腹についている四次元ポケットから刃渡り30センチ程の包丁を取り出しました。
あぁこれもう銃刀法違反万歳って感じですね…
「じ、次郎のダンナ、そいつはぁ…刃物だ…
まさかあっしにっ!?」
流石の太郎君もたじたじです。
しかしそんなこと一切関係なさそうに次郎君は包丁の刃を鼻唄混じりに研ぎ始めました。
「大丈夫太朗君、痛くしないから…」
問題点はそこじゃありません。
「さ、研ぎ終わったよ…」
次郎君が研ぎたてのギンギン包丁を持って太朗君に近付きます。
太朗、危うしっ!?
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