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「ダヨってお前……」
リリィの言葉に呆れ果てた
サキュバスとは
淫魔や夢魔と呼ばれる西洋の女悪魔で、男性の精を餌としている
その為、相手の理想とする異性像を出現させ襲わせる
ちなみにこれの男悪魔はインキュバスと呼ぶ。
「でさ、光夜の理想の女の子…誰が出たのかな?」
「………さ…さぁな…」
まさか本人を目の前にして言える訳もなく、誤魔化した
「…藤村梨理?」
「違ぇよ…」
「……じゃあお母さん?」
「俺は鬼か!?」
リリィ自身は自分ではありえないと思っているらしく、その質問だけはしなかった
しばらくすると朝御飯がどうのと呼び出しが聞こえてきた
リリィはスッと立ち上がる
「でもさ光夜……夢は夢でしかないんだから…恥ずかしがる事はないんだよ?」
それだけ言うとリリィは部屋を出た
光夜は着替えを済ませると少し遅れて部屋をでる
リビングに着くとイチャイチャバカップル夫婦と一人加舎の外のリリィがテレビのニュースを見ていた
なんでも昨晩、近くのグランドホテルで大量殺人事件があったらしく、犯人は今だ逃走中そこに居たのは約二百人、内生存者は小さい姉弟二人だけ
行方不明者も数十人居るらしい
リリィはそのニュースだけは真剣に見ていた
「気になるのか?」
「ん?…まぁね……おそらく暴走した獣人の仕業ね…」
まるで犯人を知っている様な言い方だった
「獣人?」
「…貴方は知らないでしょうけど…獣人っていうのは…自然の説りに反して造られた命…日本の人口の約七分の一、世界の人口の八分の一が獣人なの…そして獣人は地図には存在しない島や地域でひっそりと暮らしているの…それでもたまに、正体隠して現れるみたいだけど…」
どうも聞いた事もないし、現実みに欠けてるが
悪魔が居るなら…と納得した
「造られたって言ってたけどそれって…」
「それはもちろん軍事目的よ…まぁ元々強化人間を造ろうってわけだったらしいけど………五百年以上前から研究が続けられてるらしいのよ…」
やけに詳しいなと思いつつも味噌汁をすする
すると父が新聞を読みながら声をかける
「光夜…必要な荷物をまとめておけよ…?」
「あぁ…うん」
今日からリリィとの同居が始まる
その為の引っ越しの準備をしなければならない
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