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「……クス…こちらも本腰といきましょう……サキエル?…その使い魔と遊んであげなさい…」
「わかったよラミエル姉さん…」
ラミエルに命ぜられるままに、大剣を重そうに引きずり光夜に向かって行った
「……これで一対一ね…」
「えぇ……貴方のお望み通りね…」
互いに睨み合い武器を構える
しばらく沈黙が続き、踏み込む事を躊躇っている
サキエルはジリジリと光夜に近付いていく
「……ッチ…(こちとら武器無しだぞ……あんな大剣…受け止められる物なんぞ…)」
「ねぇ…お兄さん…」
「な、なんだよ……?」
「コレ…なに?」
サキエルが見せたのはプラモデルの箱
突拍子の無い事にポカーンとそれを見つめていた
「………プラモデル……だけど?」
「プラモデル…?」
「あ~…プラモデルって言うのはだな…自分で組み立てる人形の事で…」
「ふぅん?……じゃあコレで遊ぼ?♪」
(遊ぶって…そういう事じゃないだろ…)
しかも買ってもいないのひ袋開けて
でも、こんな時でないとこんな事は出来ないだろうと、楽しむ事にした
「ねぇ…コレってどうやるの?」
「あぁ…コレはだな…」
サキエルにやり方を優しく教え
光夜の慣れもあるのかテキパキと五十体程作った
「ふぅ…作った作った♪」
「ふふふ…お兄さん上手だね…それに優しい…」
「「…ってなぁにやっとんねん!!?」」
いきなり二人の後頭部に鉄拳が飛び
思いきり地面に顔面を打つけた
「…ってぇ~……!」
「はぅあ~…もっとぉ~…」
「もっとじゃない!サキエル……貴方どういうつもりなの!?」
「光夜~?……なんで遊んでいるのかなぁ?」
二人は威圧的に光夜達を睨んだ
真面目に闘っていたのか二人はもうボロボロだった
「あぁ…楽しんでいたようで…」
「楽しんでない!」
光夜の頭に雷が落ちた
「いってぇええ!」
「貴方が悪いんだからね!?」
「………はぁ…これくらいにしてあげる…もう帰るわよサキエル…」
「ふぁい…姉様…♪」
ラミエルはサキエルをボコボコにすると背を向け引っ張り、歩き出した
「ちょっと待って……何故貴方達が人間を襲ったの…?」
「さぁ?…何故でしょうね……あ、そうそう…貴方達も早く出ていったほうがいいわよ…?」
妖しく笑うと二人はその場から消えた
リリィも人間の姿に戻る
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