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「そうね……この現状を人間、ましてや警察って現実主義な疑り深い
己の知識内の常識でしか受け入れようとしない様な奴に何を言っても無駄でしょうね……」
いや、当たり前だろ
普通゙魔法使ってやりましだなんて面と向かって真面目に言ってみろ
───笑われてバカにされるのが目に見えている。
「うん、行きましょう?光夜」
「あぁ───そうだな」
だからリリィの言い分は正しい。
頷き、リリィの後をついて行くはずだった。
「─────?」
リリィは立ち止まりこちらに向いてズィっと近付いた。
「ねぇ、光夜ってジェットコースターとか平気?」
「ん?うん、平気だけど?」
なんでまたそんな事を?
なんて疑問をふっかける間も与えずに手を握ってきた。
「じゃあ飛ぶよ?光夜」
「───────は?」
その瞬間疑問は解決した。
急に景色がグルグルと回る様に感じたと思えば、なんとも言えない浮遊感というかコレはまさにジェットコースターのそれと一緒だった。
まぁ簡単に言えば゙空間転移゙や゙瞬間移動゙をした訳だ。
気付いてみたら商店街、それはまさに一瞬の出来事。
リリィは何事もなかったかの様に歩き出していたが、とうの自分は気分が悪くなりまるで乗り物酔いをした感覚、ユラリ、とフラついた。
「─────っ」
気付いてくれたのかリリィはとっさに支えてくれた。
「大丈夫光夜?」
「あぁ───気持ち悪ぃ…」
素直な気持ちを吐き捨てた。
リリィはその華奢な腕で俺を軽々と担ぎ公園まで連れていった。
そうだった、忘れていたがリリィは女である前に悪魔だ見た目以上に力はあるだろう俺なんか軽々と持ち上げられる訳だ。
俺をベンチに寝かせると膝枕をした。
「悪い────リリィ」
「ごめん、魔力波酔いの事全く考えてなかった…」
「魔力……酔い?」
「うーん…強い気に当てられとなにか異常きたすとかあるじゃない?
ほら、心霊スポットにいて気分が悪くなるって、あれみたいなもの、だから…ごめん」
リリィは本当にすまなそうにうなだれた。
慣れていない人に魔術、ましてや人体を丸ごと魔力で包む空間魔術なぞつかえば体に異常をきたすのも、当然と言えば当然だ。
だからこそ彼女は本当に申し訳なさそうにうつ向き、膝の上に乗っている俺の顔を見つめているのだろう。
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