14人が本棚に入れています
本棚に追加
今から三ヶ月前。
夏も過ぎ涼しくなった秋
しかし、その日は気温が下がらず真夏日のようだった
(ったく…何やってるんだアイツは…)
約束の時間はとうに過ぎ
今はお昼時
その上日差しは一際射し
堪忍袋が切れるには充分過ぎる程だった。
「悪イ!!寝過ごした!!」
真夏の太陽より暑苦しい笑顔
見ててむさ苦しい限りだ
「寝過ごしただと?今何時だと思ってんだ!?テメー!!!!」
「わりぃ、わりぃ。今日は俺の奢りだから許せよ!?な??」
きっとコイツには何をいっても無駄なのだろう
「…たくッ、折角の休みだってのに…」
最後の一本に手をつけようとした時…
「ちょっと待った!!」
意図も容易く遮られた
「なんだよッ!?煙草ぐらい吸わせろバカ!!!」
「まぁ落ち着けって!!今から煙草ナシ!!じゃないと女にモテないぞ!?」
ふざけんなッ…
コイツにだけは言われたくない!!
いつも振られて泣きつくコイツだけにはッ!!
「つか、お前自分の誕生日なのに女の一人もいないのかよ?可哀想なヤツだな-」
皆さん…
コイツ本気で殺していいですか?
「そんな怖い顔してっからモテないんだよ。リラックス、リラックス♪」
もう嫌だ…
帰りたい…
俺が頭を抱えるとアイツはポケットを漁り
小さな箱を突き付け
「モテない君に、誕生日プレゼント」
「モテないは、余計だ…」
渡された箱はブルーの箱
そして中身は…
「真珠?」
「おぅ!!似合うと思うぜ?」
ニヒヒッと満面の笑顔で少し照れ臭そうにするアイツ
だが、男に真珠って…
そりゃあ、見た目はあの有名なクロ●・ハーツのネックレスだし
クロスは恰好良い
しかし真珠は明らかに不似合い
というか、後から埋め込まれたっぽいし。
偽物としか考えれない。
「どうしたんだよ?これ?まさか盗んだのか?」
「ヒデェな!!ちゃんと働いて手に入れたものだッ!!そんなに疑うなら返せよなぁ-」
膨れっ面で手を出すアイツをみて、盗んでないのは分かった。
でもこれは明らかに
「偽物だよな?」
「違うって!!そりゃあ真珠埋める為に掘ったけどさぁ…」
「なら、何故わざわざ埋める必要があるんだ?」
「んな事どうだっていいだろ!?」
これ以上問い詰めると機嫌を悪くすると思い散策は止めた
それからこの話はしていない…
最初のコメントを投稿しよう!