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私はもう後戻りができないほど彼に溺れていた。
この男のどこがいいのか聞かれても私は答えられなぃ…
それでも私が彼に溺れているのは確かな事だった。
そんな私の気持ちを
知ってか、彼の行動は悪くエスカレートするばかりだった。
私が家に帰ると、他の女と悠也の楽しい話し声が聞こえるなんて しょっちゅうだった。
私はもう暗黙の了解のように、家を後にする
悠也は決して客を抱かないらしぃ。
この前部屋に泊まっていた時も別に抱き合っていたわけじゃなぃらしぃ…
“ホストが客と寝れば終わり”だという教訓を悠也が守っているのが唯一の救いだった。
家を出て、する事も なく私はコンビニに入る。コンビニは何となく好きだ。
明るい店内に、賑やかに並ぶ商品。
必ずいる店員。
寂しさが紛れる気がした…
しばらくして、カバンに入れていた携帯が鳴る。
電話の相手は着信音でわかっていた。
「はぃ。」
「由紀?明日ょ?ちゃんとわかってるわね?」
「お母さん。電話掛けてこなくても、わかってるから…お父さんの事は私に任せてって言ってるじゃん。」
「そう?それじゃあ、お願いね。お金はちゃんと振り込んであげてるんだから。」
あんたのお金じゃなぃじゃん。
あんたがお父さんを裏切って、再婚した相手のお金でしょ?
遠くの方で声が聞こえる。
〔ママーお腹すぃたぁ〕
その声が聞こえると、母は無言のまま電話を切った。
ツーツーという虚しい音が耳に響く。
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