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リビングのソファーでぼんやりしていると、男の子はいつのまにか私の側に立っていた。
でも…さっきまでとは違う。
“男”だった。
さっきまでは今にも 壊れそうな少年って
感じだったのに、今はまるで別人のように
しっかり立ち冷めた目で私を見ている。
「俺のスーツどこ?」
冷めた声。
ほんとに全然違う。
それに顔も今でははっきりわかる。
整った顔立ちにサラッと明るい髪。
背は高くて、どこか 色っぽい。
何か芸能人でいえば、赤西 仁みたぃな感じ
ちょっと言い過ぎかなぁ…?
「…お前…聞いてんの?」
あっ。怒った…
そっか、質問されてたんだ。
何かあんまり別人だから……
「スーツならスプレーかけて、干してる。
カッターシャツは洗濯カゴの中にあるけど」
私が干しているスーツを指さしてそう言うと男はため息をついて、私の隣に座った。
「ここどこ?」
男はそう言いながら私を見た。
何かやっと目が合った気がする…
「〇〇市△△町だけどあなた名前は?」
「教えない。偽名は
修也だから。」
「偽名?…何それ」
私が顔をしかめて、
尋ねると男は口元だけ笑って答えてくれた。
「俺、ホストだから」
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