第一章

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リビングのソファーでぼんやりしていると、男の子はいつのまにか私の側に立っていた。 でも…さっきまでとは違う。 “男”だった。 さっきまでは今にも 壊れそうな少年って 感じだったのに、今はまるで別人のように しっかり立ち冷めた目で私を見ている。 「俺のスーツどこ?」 冷めた声。 ほんとに全然違う。 それに顔も今でははっきりわかる。 整った顔立ちにサラッと明るい髪。 背は高くて、どこか 色っぽい。 何か芸能人でいえば、赤西 仁みたぃな感じ ちょっと言い過ぎかなぁ…? 「…お前…聞いてんの?」 あっ。怒った… そっか、質問されてたんだ。 何かあんまり別人だから…… 「スーツならスプレーかけて、干してる。 カッターシャツは洗濯カゴの中にあるけど」 私が干しているスーツを指さしてそう言うと男はため息をついて、私の隣に座った。 「ここどこ?」 男はそう言いながら私を見た。 何かやっと目が合った気がする… 「〇〇市△△町だけどあなた名前は?」 「教えない。偽名は 修也だから。」 「偽名?…何それ」 私が顔をしかめて、 尋ねると男は口元だけ笑って答えてくれた。 「俺、ホストだから」
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