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「ねえ、クロード」
不意にプリスが話しかけてきた。
「どうした?」
「旅をしてるんだよね?」
「ああ、それがどうした」
「なんで、旅をしてるの?」
「………」
俺が旅をする理由……
「ねえ…?」
「ミレニアム…」
「ミレニアムって…幻の大地のこと?」
「そうだ、それをみつけるため…そして、そこにすまう神と呼ばれる飛竜と戦うためだ」
「………」
黙ってしまった…当然か…こんな話、誰が信じるものか…
そう思っていた…
「お父さんの仇…」
「なに…?」
「たぶん…お父さんの仇だよ…その飛竜は…」
「!?」
ばかな…!今まで、誰も遭遇したことのないはず…!
……それこそ、誰がいった?誰もあったことがないんじゃなく、あった者が、その飛竜に殺されていたんだとしたら…?
ミレニアムは…存在するのかもしれない…!
クロードはそう思うと、嬉しさなのか、戸惑いなのかわからない感じにみまわれた。
「クロード」
「!…な、なんだ?」
「私もついていっていいかな?」
プリスの突然の発言に一瞬言葉を失った。
「なんだと?」
「迷惑なのはわかってる…でも、お父さんの仇の飛竜を見つけたい…まだ、敵わないだろうということはわかってる…でも…!お願い…!」
「……ふう……」
クロードはため息をつくと…
「はやく寝ろ、明日ははやいぞ」
「!…うん!それじゃ、おやすみ!」
「…まったく…」
クロードはそういうと、ふっ、と笑った。
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