第一章

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「何か面白いことないかねぇ?」  俺の名前は大杉 十夜(おおすぎ とうや)、何の変哲もない普通の高校生。 「面白いことって…具体的にはどんなことが十夜にとって面白いことなの?」 彼女の名前は雪野 詩織(ゆきの しおり)、典型的な幼なじみキャラ、というか正に俺の幼なじみ。 しかも、昔から知ってる俺の目から見ても超かわいいときたもんだ。 「んっ?そうだなぁ…突発的になんかあればいいよ。衝撃性があれば何でも面白いだろ?」 …安直な考え… 自分でもそう思う。 「突発的なことねぇ…十夜の発言が一番突発的だと私は思うなぁ」 「…それ言われたら何も言い返せねぇけど…まっ、面白いこと探す前に彼女でも探すさ。そうすりゃ毎日の生活も楽しくなるだろ」 まぁ、彼女なんてそうそうできるわけないけどなぁ… 「ふふ、なら私が立候補してあげようか?」 …おっと、これは詩織エンドのフラグが立ったということか? それにしても早過ぎる。 「…いいや、遠慮しとくわ。詩織なんか彼女にしたら命がいくつあっても足りねぇからな…」 「ちょっと、それどう意味ぃ?」 「…なんか怒ってるようだが、お前自分がモテるってこと少しは自覚しろよな?」 詩織は学校内アンケートで彼女にしたい人、堂々の第一位。 …普通に考えてルックスいいし、優しそうだしな。 男のツボを押さえていらっしゃる。 「…私全然モテないよ…?」 …普通の女の子がこれ聞いたらまずマジギレだろうけど…詩織はこれを本気で言ってるんだから恐ろしい。 (それは近寄りがたい雰囲気があるからだと思うけど…) 「えっ、何か言った?」 「いいや、何にも」
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