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その喫茶店に寄ったのには、理由があった。
「りおー!!聞いて!昨日の日曜日にさぁ喫茶店でお茶したの。そしたらメチャメチャ格好いい人がいてね~まぢヤバかったの~ぉ!!」
友人・麻衣は目を輝きさせながら話してきた。
梨緒は興味が無さそうに、
「ふ~ん、良かったじゃん」
と愛想良く言った。
「ふ~んじゃないでしょ!まぢ格好良かったんだからぁ!!それでね、ウチの友達がそこの店員だから聞いたの。そしたらたま~にそこの喫茶店でお茶してくんだって~!!」
目がハートになると言うのはこういう事だ。いつになく麻衣はニヤけていた。
「そうなんだぁ。で、今日はいるの?」
ニヤけている麻衣を余所に梨緒は冷静に言った。
麻衣は少し遠慮気味に、
「そうそうそこなのよ~ぉ。そこでね、りお今日バイト無いんでしょ?頼みなんだケド一緒に喫茶店見に行けないかな~なんて・・・」
「そんな上目遣いでウチを見なくても・・・」
麻衣は最終手段を使うかのように、
「りおだってその人のコト気になるでしょ?まぢイケメンなんだから!!ね?見に行こう!!」
確かに気にならないと言えば嘘になる・・・
梨緒は少し迷ったが最終的に、
「いいよ」
と答えてしまった。そして今に至る。
「りおー!!例の場所ついたヨ!」
走ってきた為、息を切らしながら麻衣はまたニヤけて言った。
「麻衣ってば足早いよ・・・」
麻衣より三歩ぐらい遅れて、『例の喫茶店』の前に着いた。
ドアの前には、
『本日のオススメは中に紫芋のクリームが入ったモンブランです♪限定20人まで☆』
と、書かれた看板が置いてあった。
「ここ?」
梨緒は不安そうに麻衣に聞いた。
麻衣は、
「そだよ♪お洒落な喫茶店だよね~ぇ♪ちょっち高い喫茶店だけど、これもイケメンに会うため!!」
と、ガッツポーズを決めながら言った。
「はぁ!?高いなんて聞いてないってば!!今月のお小遣いピンチなんすけど・・・!!」
「まぁまぁ♪その話しは置いといて中に入るよん♪」
驚いている梨緒を余所に麻衣は扉に手を掛けた・・・。
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