幕間 紡

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私が生まれ育った鶴羽家は、世間一般から見て、いわゆる中流家庭と呼ばれる家だった。 両親は共働きで休日も殆んど家を空けており、今まで家族との思い出もあまりなかった。 かといって、特に淋しさを感じるワケでもなかった。 妹がいたから。 私たちは双子で、唯一身近にいる肉親だった。 妹は明るく利発的で、私とはまるで正反対だった。 それでも、幼い頃は嫉む気持ちなんて一切なくて、唯、一緒にいられるコトが楽しかった。 幼く無垢な私は、ただ単純に憧れていた。 ああ成りたいと、 あのように在りたいと、 願っていた。望んでいた。 もしかしたら、 神様は、最初から一一
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