シーン1・障子

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ぷすっ… 嫌な音に振り向くと 「あ…」 大きな丸い二重の目がこちらを覗く。 顔は見えないが 笑っている。 「…やっと張り替えたばかりなのに」 ぼそりと呟く僕を尻目に 奴はさらにぷすっぷすっと穴を開ける。 「だぁあっ よせっ、やっと張り替えたんだからっ」 僕は急いでアイツを捕まえようと障子の向こうへ するとアイツは僕よりも早く日本庭園に逃げ込む。 僕の家だけど 庭はアイツの庭だった。 仕方無く僕はため息をつくと室内に戻ろうとした。
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