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今度はとんでもない速さで流されている。
ただ浮かんでいても、意味はないので、俺は岸に向かって泳ぎだした。
やっとの思いで岸にたどり着いたが、相変わらず足がつかない…
水がなくなれば断崖絶壁になるのだろう。
しかし、水面と岸の高さの差はそんなにないので手を伸ばせば届くだろうし、登るのも不可能ではないように感じた俺は、岸に手をかけた。
すると、土はあっさり削り取れ、掴む事なんて出来なかった。
俺は岸に登るのは諦めて、何かしがみつける物を探す事にした。
少しでも休みたかったのだ。
しばらく流されていくと、大木が引っ掛かっていた。
大木を目指して泳いでいくと、もう少し…というところで木が引っ掛かっていた所の土が崩れ流されていく…
俺も流されているので見失いはしないが、追い付けもしないし、なにしろ枝が付いているのに、回転していて危なくて近付けない。
どれくらい流されたか分からないが、大木は岸に引っ掛かって急に止まった。
一瞬、ラッキー!
と思ったが、最悪のパターンだった事に気付いた。
枝の一本が真っ直ぐこちらを向いていたのだ。
なんの抵抗も出来ぬまま、俺は木の枝に突き刺さった。
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