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「何か」は扉だった。
ただ単に扉があるだけではない、そこには壁があった。
真っ黒な壁が…
「なんだ?このドアは?真っ黒に金の模様って…カッコイイけどさ…ま、いいや、考えても仕方ない、入ろう…」
そう言って、俺はドアノブに手をかけた。
『待てっ!!』
突然声がした、周りには誰もいない………
と、言うことは……
「上かっ!?」
素早く上を見たが、何も見えない
『何故慌てて上を見る…?そんな所に私は居ない…というか、お前と同じ世界には居ない』
「はぁ?えっと…頭大丈夫?病院行ったら?」
『貴様っ!!私をバカにするなっ!!』
「バカになんてしてないよ…?心配してるんだ」
『お前が心配する必要は無い、とにかく、その扉はまだ開けるな、その扉の先に私はいるが…まだ来てはいけない』
「え?まだ来てはいけないって?じゃあ、俺はまだ死んでないのか?」
『は?……ああ、お前が死んだのは夢の中だ。そこは…今はまだ夢の中だが…いずれは…いや、まだいいだろう、とにかく戻れ、その壁が全て白く変わったら来るがいい、でなければ…お前も災厄に巻き込まれる…それは困るだろう?』
「なんでそんな忠告を俺にくれる?俺が巻き込まれても何も問題はない筈だろう?」
『お前に死なれると私も困るのだ…いずれ知る事になるだろう…だから、今は元の世界に帰れ…』
視界の中で扉が小さくなっていく…それと同時に俺の意識も失われた…
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