黒でも白でもない世界

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朝目覚めると、俺は汗だくだった。 身体も少し熱い気がする…風邪でも引いたのだろうか…… 体温を測ってみたが、いつもより少し高いだけで、問題はないようだった。 どちらにせよ、朝食は作らなければならない めんどくさいと思いながらも台所に向かい、料理を始める。 「っっ!」 うっかり包丁の先端で指を少しだけ刺してしまった。 傷は大した事ないが、包丁のひんやりとした感覚の後にじわじわくる痛みに顔をしかめた。 俺は血を見て、なにか嫌な夢を見ていた事を思い出した。 どんな夢だったかは全く思い出せないが、悪夢だった事だけは思い出した。 朝のあの凄い汗はその所為だったのか…と納得する。 とりあえず、病気ではない事がわかったので、大学に行く事にした。 大学までは自転車で45分位かかるが、今日は早く目が覚めたので、時間には余裕があった。 牛乳をもう1杯飲んだら家を出よう、と決めてコップに牛乳をなみなみと注いだ。 半分くらい飲んだところで携帯が鳴った。 メールが来たようだ。 着信音を止め、メールを見る。
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