黒でも白でもない世界

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ガタンッ! 俺は椅子から落ちて、周囲の人の注目を集めていた。 教授は何事もなかったかのように講義を続けているが、意識はこちらに向いているのがよく分かる。 周りでクスクスと笑い声が聞こえる。 俺は慌てて椅子に座った。 とてつもなく恥ずかしい。 チラッと浅井の方を見ると机に突っ伏している。 爆睡しているのかと思ったが、肩がピクピクしているので爆笑しているのだろう。 なんだか、殺意が沸いたので、浅井の方を睨んでやると、浅井は机に突っ伏したままだった。 その変わりに、その向こうのヤツと目が合った。 そいつは自分が睨まれた。と思ったのだろう、慌てて視線をそらしていた。 俺は浅井を殺意の篭った目で睨むのを諦め、再び睡眠に入るのだった。
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