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深紅の海・漆黒の空
暫く歩くと海が見えてきた
真っ赤な深紅色の海
そして漆黒の空
「三月ウサギは嘘つきウサギだと言うけど本当だわ…」
私が浜辺に行くと誰も居なかった
やっぱり嘘つきウサギね…
私が浜辺から海に近づくと人の気配がした
「ダメだよ。生身で海に入ろうなんて…」
後ろを振り向くとそこにはカモメの親子がいた
「まぁアリスじゃないの!女王様がお怒りよ?」
「でも、海が渡れないわ…これじゃ女王様にも会えない」
「私たちが連れて行ってあげる。なんたってアリスだからね」
上を見上げると無数のカモメの大群が集まっていた
こんなに沢山よく居たもんだわ…
ブランコみたいに板に紐をつけて私は乗ってみた
カモメさんはなんの苦労も無く軽々と私を空に浮かべた
「アリス軽いわね」
「本当にね」
「ちゃんとご飯食べてる?」
カモメさんの話を聞きながら私は何処までも続く海と空を眺めた
不気味な深紅色の海
それを強調した漆黒の空
どっちも不気味で怖いわ…
、
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