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また…また一人、罪のない人間を…
この手で、殺してしまった
満月の夜は、この血が…鬼の血が騒ぐ
鬼の自分が表に出ようと俺を、苦しめる。
喘息のような息苦しさ、身体中が焼けるように熱くなる
気が付けば、足元には血まみれの肉の塊が転がっていた…
紅雪:あ…あぁあ…、また、また俺は…
血濡れた手を見つめていると、誰かの気配を感じ慌てて振り返ると…月松が居た
月松:紅雪
紅雪:また、やっちまった…
月松:うん。そうだね
そう言いながら彼女は、紅雪の手に触れた
紅雪:っ!だ、駄目だ!血で…汚れてるから
慌てて彼女を振り払う。彼女は、紅雪を見上げやんわりと微笑んだ
月松:構わないよ。汚れていたって…私も、今…
そのあとの言葉は、言われなくても理解できた…彼女もまた、彼のように人を…
紅雪:月松…
血で汚れている手を伸ばし、月松の頬に触れた
✨汚れた手でも 構わない✨
(だって、私も君と同じ……)
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