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表情は逆光で見えなかった。
ただ、いつものユキの雰囲気とは違っていた。
「妊娠したかもしれない…。」
パジャマに着替えて、
隣りの部屋から出て来るなり、
そう言ってユキは私の隣りにちょこんと座った。
私の肩に頭を寄せながらも、
うつむいたまま…
それ以上は何も言わなかった。
沈黙の時間は一時間くらいに感じた。
実際には、五分も立っていないだろう。
私のタバコはまだ火が付いていた。
ユキが何かを言おうとした時、
私はユキを静かに抱き締めてた。
私には、
ユキが泣いている様に見えた。
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