夕焼けの屋上

2/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「なあ、飛び降り自殺ってどんなんかな。」 嗚呼、日本晴れ。 煙草が美味い。 「気持ちイーのかなー。風が痛いかも?いやでも・・・」 嗚呼、日本晴れ。 煙草が美味い。 馬鹿の独り言が耳に入らなければサイコー。 「なあ、聞いてる?一色?いっしょーくー?」 ああ馬鹿が俺の顔を覗き込んでくる。 「ウザイ。」 ムカつくから適当にあしらう。するとこいつは案外傷ついたような顔をして、俺のくわえている煙草を奪い取って一服しやがった。 「つれねーなー。俺らダチだろ?いっしょく。」 「名前もまともに覚えないやつをダチとはいわねぇ。俺は一つの色と書いて“ひといろ”だ。“いっしょく”じゃねぇ。」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!