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あれから一年がたった。
もう、あんな体験をする事は無いだろう。
だって、生きて還れた事が奇跡なのだから…。
一年前の夏休み前日。
海斗はこの長く退屈な夏休みを、どのように過ごすかを考えながら学校の帰り道を歩いていた。
‐海斗‐
ルックスは普通の高校二年生。あまりモテない寂しい男子だ。今は彼女募集中。
ドン!
誰かが海斗を背後から突き飛ばす。
「イテェ~誰だよ!?」
海斗は叫び振り向く。するとそこには…
「涼と将じゃねぇか!」
「わりぃ!そう言えば海斗、夏休み暇だよな?お前彼女居ないし。」
涼が嫌味混じりで海斗に聞く。
‐涼‐
ルックスはカッコイイ、高校二年生。かなりモテる。勿論彼女持ち。
「そうそう。海斗はモテないから彼女居なくて当たり前!」
将は鼻で笑いながら、海斗をからかう。
‐将‐
ルックスは海斗よりではない。同じく高校二年生で、まったくモテない。
「てか、告られたことない将には言われなくないな。」
海斗は将に仕返をする。
「まぁ、そんなことはどうでもいいんだ。なぁ将?」
涼が二人のやりとりを遮り言った。
「おっと。そうだった!」
二人はニヤリと顔を見合わせて笑う。
「??」
海斗は訳が解らず首を傾げる。
「実はな…俺…駅前のくじで、一等当てたんだ!!」
将は嬉しそうに言う。
「え?!駅前のくじの一等って確か…ハワイ行きチケット三枚?!」
海斗は驚きながら言った。
「将スゲェよな~。」
と涼。
「俺は最強だからな!!じゃぁ、7月28日9時に羽田空港なっ!!」
将は笑顔で二人に言った。
「「おう!!」」
二人も笑顔で将に答えた。
三人はまだ知らない――。
これから起ころうとしていることに…。
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