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確かにこの地域では蕎麦はあまり見かけない。しかし、顔を引きつらせる程の物ではない。
カイルは蕎麦のつゆの入った容器の中を指差す。
「その……ツンとする臭いの物体は一体……」
カイルは蕎麦ではなく、ワサビが気になっていたようだ。
「ああ、これは『ワサビ』だ。蕎麦にかけると美味くなる。食べてみるか?」
「わさび……?……いや、やめとく。なんか軽く体が拒否してる」
いわばカルチャーショックのようなものである。
「おっ、きたきた!」
カイルの酒のツマミをつついていたヨハンが、喜ぶように言う。
「ん。なにがだ?」
カイルが尋ねる。
「マナちゃんっスよ。マ・ナ・ちゃん」
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