1章 新隊員入隊

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確かにこの地域では蕎麦はあまり見かけない。しかし、顔を引きつらせる程の物ではない。 カイルは蕎麦のつゆの入った容器の中を指差す。 「その……ツンとする臭いの物体は一体……」 カイルは蕎麦ではなく、ワサビが気になっていたようだ。 「ああ、これは『ワサビ』だ。蕎麦にかけると美味くなる。食べてみるか?」 「わさび……?……いや、やめとく。なんか軽く体が拒否してる」 いわばカルチャーショックのようなものである。 「おっ、きたきた!」 カイルの酒のツマミをつついていたヨハンが、喜ぶように言う。 「ん。なにがだ?」 カイルが尋ねる。 「マナちゃんっスよ。マ・ナ・ちゃん」
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