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「おばあちゃん。何で僕にはおじいちゃんがいないの?」
幼い子供は実に無邪気である。
大人達にどんな事情があろうとおかまないなしだ。
しかし、おばあちゃんと言われたその子供の祖母は、何度聞かれても偽ることなく真面目にこう言った。
「おじいちゃんはな。遠い昔、魔人と勇敢に戦ったんじゃ。そして、自らの命と引き替えに魔人を倒したんじゃよ。おじいちゃんを誇りに思うがよい。晃にはまだわからんかもしれん。じゃが晃にも必ずわかる日が来るはずじゃ」
幼い子供に対しての配慮もそこそこだったために、晃と呼ばれた子供にはよくわからなかった。
「ふ~ん」
と言ったのが精一杯である。
祖母は続けて言った。
「強くなるんじゃ。大切なもの、何よりも大切な人を守る為にな」
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