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『なんの話してるのぉ?』
いつの間にか部屋の入り口まで来ていたクレアが眠そうな目を擦りながら立っていた。
『おや?起こしてしまったかの?』
それまでの険悪なムードが嘘の様にラットは表情を緩めクレアに向かい微笑みを向けた。
『……ううん。なんの話をしてたの?』
『何でもないんじゃよ。さぁ、こっちへおいで…。』
ラットが両手を拡げるとクレアは嬉しそうにかけより飛び付いた。
(なんだこのジジイはまるで別人だな。)
トラッシュがラットの変貌ぶりに驚いているが本人はクレアを抱き上げ何事もなかったようにトラッシュに顔を向ける。
『…とにかく今は休む事が先決じゃな。何か欲しいものはあるか?』
『ーー特に欲しいものはないが……ディンという男を探してくれないか?』
『ディンじゃな。承知したわい。
また後で来るからそれまで寝ておれ。』
そういうとラットとクレアはドアの向こうに消えていった。
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