陽光の少女

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    …ここに入学して、何でも話せるような親友というのは、居ない。   ただ入学式の時に、声をかけてくれた子が、二人居た。   しかし彼女たちも、休み時間の合間に、私の所に来て話をしていくだけだった。   私はただ、彼女たちの話に「へぇ、そうなんだぁ。」とか「良かったねぇ」「大変だねぇ」とかぐらいしか言えないような感じである。   だが…今日は、自分から何か話題を振れるような気がした。     「…普通さ、雨に濡れたくないよね」     私がそう言うと、彼女はすぐさま笑いながら頷いてくれた。     「ないない!特にこの時期の雨にはぁ…」   「あたしもー…」     「それがさ、今日…」     ガラガラッ     「みんなー席につけー」     先生だ。     「あっ、ごっめん、また後で聞かせてね。」     「ぁ…うん…」     彼女たちは、そう言うとさっと自分達の席へと戻って行った。  
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